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スペインサッカー留学は何歳から?小中学生の短期留学と18歳未満の長期留学について

執筆者の写真: Ryota Ikeda
Ryota Ikeda
9月9日
読了時間: 10分

「スペインにサッカー留学させるなら、何歳くらいがいいですか?」

これは、保護者の方からよく聞かれる質問のひとつです。

小学生から行った方がいいのか。中学生くらいがいいのか。高校生になってからでも遅くないのか。

僕はスペインサッカーの現場に22年以上関わり、これまでさまざまな年代の選手を見てきました。その経験から言うと、「サッカー留学は若ければ若いほどいい」とは、僕は思っていません。ただ、その一方で、若いうちに一度、海外でサッカーをする経験には、とても大きな意味があるとも思っています。

一見すると矛盾しているようですが、ここには「短期留学」と「長期留学」の大きな違いがあります。


18歳未満のスペインサッカー留学には、まず知っておくべきルールがある

未成年の選手がスペインへサッカー留学する場合、まず知っておいてほしいのがFIFAのルールです。

FIFAでは、18歳未満の選手の国際移籍・国外での初回登録は原則として禁止されており、一定の条件を満たす場合に例外が認められています。

これは、若い選手がサッカーを理由に不適切な形で国を移動させられることなどを防ぎ、未成年者を保護するためのルールです。

そのため、「スペインへ行ってクラブの練習に参加できる」ことと、「そのクラブに正式登録して公式戦に出場できる」ことは別です。

ここは、18歳未満のスペインサッカー留学を考えるうえで、とても重要です。

「スペインに行けば現地クラブに入って、毎週公式戦に出られる」

とは限りません。

だから僕は、未成年のサッカー留学を考えるとき、「スペインへ行けるか?」よりも先に、「何のためにスペインへ行くのか?」を考えることが大切だと思っています。


RIOYUKI SLが18歳未満の長期留学を受け入れていない理由

RIOYUKI SLでは、原則として18歳未満の選手の長期留学は受け入れていません。

これはFIFAのルールだけが理由ではありません。

僕がそれ以上に慎重に考えているのは、まだ成長過程にある子どもが、親元を離れて海外で長期間生活することによる負担です。

10代で家族と離れ、言葉も文化も生活習慣も違う国で暮らす。

それだけでも大きな環境の変化です。

そこに「サッカー」「学校」「人間関係」といういくつもの問題が同時に重なる可能性があります。「サッカー留学なのに公式戦に出られない」というストレス、先ほど説明したFIFAの規則によって、18歳未満の選手は、スペインへ来たからといって必ず現地クラブに正式登録して公式戦に出場できるわけではありません。

クラブの練習には参加している。

チームメイトとも毎日一緒にサッカーをしている。

でも週末になると、自分は公式戦に出場できない。

チームメイトがユニフォームを着て試合へ向かう中、自分はピッチに立てない。

数週間の短期留学であれば、「スペインサッカーを経験する」という目的で来ることができます。

しかし、それが何か月、あるいは一年という長期になれば話は変わります。

「サッカーをするためにスペインまで来たのに、公式戦には出られない」

という状況そのものが、子どもにとって大きなストレスになる可能性があります。

僕は、これは決して軽く考えていい問題ではないと思っています。


サッカーだけではなく「学校」という現実もある

そして未成年の長期留学で忘れてはいけないのが、学校です。

スペインでは原則として6歳から16歳までが義務教育の年齢です。

つまり、その年代の子どもがスペインで長期間生活するのであれば、サッカーだけを考えていればいいわけではありません。

教育環境についても、きちんと考える必要があります。

現地の学校に通うという選択肢もあります。

しかし、スペイン語が十分にできない状態で現地校に入れば、日常会話だけでなく、授業そのものを外国語で理解しなければなりません。

これは想像以上に大変です。

日本でも勉強があまり好きではなかった子にとっては、ただでさえ好きではなかった勉強が、言葉の壁によってさらに苦しいものになってしまうこともあります。

そして学校は、勉強だけをする場所ではありません。

友達をつくり、人間関係の中で毎日を過ごす場所でもあります。

言葉や文化の違いからクラスになじめない。

友達がなかなかできない。

孤立してしまう。

場合によっては、からかわれたり、いじめに遭ったりする可能性もゼロではありません。

もちろん、現地校にすぐになじんで、スペイン語を覚え、たくさんの友達をつくって大きく成長する子もいます。

海外の学校が悪いと言いたいわけではありません。

僕が言いたいのは、すべての子どもが同じように海外生活へ適応できるわけではない

ということです。


サッカーがうまくいかない日に、学校もうまくいかないこともある

僕が特に考えるのは、ここです。

サッカーだけが大変なら、学校が気分転換になるかもしれない。

学校だけが大変なら、サッカーが楽しい時間になるかもしれない。

でも、海外での長期生活では、

サッカーでは公式戦に出られない。学校では言葉が十分に分からない。友達もなかなかできない。そして家に帰っても親はいない。

そんなことが同時に起こる可能性があります。

大人でも、知らない国でこれだけのことが重なれば大変です。

まして、まだ成長過程にある10代の子どもです。

もちろん、困難を乗り越えた経験が人を成長させることはあります。

でも、「若いうちに苦労した方が成長する」という理由だけで、すべての子どもに長期の海外生活を勧めることには、僕は違和感があります。

海外へ出ることは、人を大きく成長させる可能性があります。

でも、負荷をかければかけるほど、人は成長するわけではない。

その子の年齢、性格、自立度、語学力、家庭環境。

そして何より、本人が本当にスペインへ行きたいと思っているのか。

そこまで考える必要があると思っています。

だからRIOYUKI SLでは、18歳未満の長期留学を受け入れていません。


では、小学生や中学生でスペインへ行く意味はないのか?

ここまで読むと、

「それなら、子どものうちはスペインへ行かない方がいいのでは?」

と思うかもしれません。

僕はむしろ逆です。

短期であれば、小学生や中学生のうちに海外へ出る経験には、とても大きな価値があると思っています。

ただ、その価値を「サッカーが上手くなるかどうか」だけで考えてほしくありません。

日本で生活している子どもにとって、学校も、友達も、サッカーも、日常生活も、日本にあるのが当たり前です。

ところが飛行機に乗って十数時間。

スペインに来ると、その「当たり前」が一気に変わります。

言葉が違う。

食事が違う。

生活のリズムが違う。

サッカーの考え方が違う。

監督の接し方も違う。

同じ年代の子どもなのに、自己表現の仕方も違う。

そして面白いことに、言葉がほとんど通じなくても、一緒にボールを蹴ればサッカーはできます。

僕は、こういう経験こそ、子どもの頃に海外へ出る大きな意味だと思っています。


「海外」という選択肢が人生の中に生まれる

短期留学を経験した子どもたちが、全員プロサッカー選手になるわけではありません。

もちろん、それでいいと思っています。

スペインでサッカーを経験したことで、

「いつかスペインでプレーしたい」

と思う子もいるでしょう。

でも、

「もっと外国語を勉強したい」

「海外の学校に行ってみたい」

「外国の人ともっと話してみたい」

「将来、海外で働くのも面白そう」

と思うようになってもいい。

それまで自分の世界にはなかった、「海外」という選択肢がひとつ増える。

僕は、これはものすごく大きなことだと思っています。

将来、進路を考えるときにも、「日本の中から選ばなければならない」ではなく、「世界の中から選んでもいいんだ」と思えるようになるかもしれない。

小学生や中学生のときに経験した数日、数週間が、その子の人生をすぐに変えるとは限りません。でも、そのときに見た景色、出会った人、感じた違和感が、5年後、10年後に何かを選択するとき、ふと思い出されることはあると思います。

だから僕は、子どもの短期サッカー留学を「サッカーだけの留学」だとは考えていません。

サッカーを入口にして、世界を知る経験。

それくらいの考え方でもいいと思っています。


小学生・中学生・高校生、それぞれに違う意味がある

では結局、スペインサッカー留学は何歳から行くのがいいのでしょうか。

僕は、年代によって目的が違っていいと思っています。

小学生なら「世界を知る」

小学生なら、スペインへ来てすぐに戦術を理解したり、自分のサッカーレベルを分析したりする必要はないと思います。

スペインの子どもたちと一緒にボールを蹴る。

違う言葉を聞く。

違うものを食べる。

海外で生活してみる。

そして、「世界って面白いな」と思って日本へ帰る。

それだけでも十分価値のある経験です。

中学生なら「違いを感じる」

中学生くらいになると、日本とスペインのサッカーの違いも少しずつ理解できるようになります。

なぜここでパスするのか。

なぜこんなに自分の意見を言うのか。

なぜ監督に選手が質問するのか。

日本で「当たり前」だと思っていたことが、スペインでは当たり前ではない。

その違いに気づくことが、自分で考えるきっかけになります。

高校生なら「自分の現在地を知る」

高校生になると、サッカー選手としての将来を具体的に考え始める選手も増えてきます。

この年代でスペインへ来ると、

「自分の何が通用するのか」

「何が足りないのか」

「本当に海外で挑戦したいのか」を、より現実的に考えられるようになります。

そして、18歳になってから長期でスペインへ挑戦したいのであれば、その前に一度短期留学を経験しておく。

これはとてもいい方法だと思っています。

実際に来てみなければ分からないことは、たくさんあるからです。

18歳を過ぎたら「本格的に挑戦する」

18歳を過ぎれば、FIFAによる未成年選手の国際移籍に関する原則的な制限から外れます。

ここからは、単にスペインサッカーを「体験する」だけではなく、スペインで選手として本格的に挑戦するという選択肢も現実味を帯びてきます。

もちろん、18歳になれば誰でもスペインで成功できるという意味ではありません。

実力、カテゴリー、ポジション、語学、生活、滞在資格、予算。

考えなければならないことはたくさんあります。

だからこそ、その前に短期でスペインを経験しておくことが、「本当に自分はここで挑戦したいのか?」を考える材料にもなります。


結局、スペインサッカー留学は何歳がベストなのか?

「何歳が一番いいですか?」

と聞かれたら、僕は一つの年齢を答えることはできません。

大切なのは、「その年齢で、何を経験したいのか」だからです。

小学生なら、世界を知るためでもいい。

中学生なら、日本との違いを感じるためでもいい。

高校生なら、自分の現在地を知るためでもいい。

そして18歳を過ぎ、本気でスペインでプレーしたいと思ったなら、長期で挑戦する道を考えてもいい。

サッカー留学の成功を、

「プロになれたか」

「強いクラブに入れたか」

だけで判断する必要はないと僕は思っています。

海外へ出て、自分が今まで知らなかった世界を見る。

そこで何かを感じて、日本へ帰ってくる。

そして将来、何かを選ぶときに、「海外という選択肢もある」と思える。

それも、サッカー留学が子どもに残せる大きなもののひとつだと思っています。


18歳未満は短期、18歳を過ぎてから長期という考え方

RIOYUKI SLでは、18歳未満の選手については、原則として長期留学ではなく、短期でのスペインサッカー留学・体験を中心にサポートしています。

若いうちに海外へ出ることには賛成です。

でも、若いうちに海外を経験することと、若いうちから親元を離れて海外で長期間生活することは、同じではありません。

短期でスペインを経験する。

日本へ帰って、自分なりに考える。

「もっとスペインでサッカーをしたい」と思ったら、日本で準備する。

そして18歳を過ぎてから、本格的な長期留学に挑戦する。

そんな道があってもいいと思っています。

スペインのサッカークラブでプレーする日本人留学生
スペインのクラブでプレーする日本人選手。18歳以降は、本格的な長期留学という選択肢も広がります。

「うちの子は何歳で行くのがいいんだろう?」

「小学生でも意味はある?」

「高校生だけど、まず短期で行った方がいい?」

「18歳になったら長期で挑戦したい」

まだ留学を決めていなくても大丈夫です。

その子の年齢や目的、現在の状況によって答えは変わります。


まずは一度、話してみてください。


 
 
 

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